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日本の大学で第二外国語としてブラジル・ポルトガル語(または単にポルトガル語)を学んでみたくないですか!?

皆さんはブラジル・ポルトガル語(ポル語、ポ語、葡語)を知っていますか?
ヨーロッパ、ユーラシア大陸の西の端の国。ポルトガル発祥の言語がポルトガル語です。ラテン〜ロマンス語系で、スペイン語やイタリア語、フランス語に近い感じの言語。
日本語になっているポルトガル語もあるので、知らないうちに使っている場合も多いかもしれません。
日本で一番ポルトガル語を聴く機会が多い場所は・・実は「オシャレカフェ」です。
オシャレカフェに行くと、英語ではない、ギターの爪弾きに合わせた明るい曲が流れていることに気づくでしょう。
あれがポルトガル語の歌で、一般に「ボサノバ」と言われるブラジル発の音楽なのです。
ブラジル・・・で、ポルトガル語?と疑問に思われた人もいるかもしれませんが、ブラジルは長くポルトガルの影響下にあったので、ポルトガル語が公用語になっている国、かつ、世界で一番ポルトガル語をしゃべる人が多い国です。アメリカ合衆国(US)が今や英語をしゃべる人口ナンバーワン、なのと同じような状況です。
前置きが長くなりましたが、意外に接することが多いポルトガル語なのですが、なぜか、日本の大学では第二外国にすらなってないところが多いのです。たいてい、第二外国語というと、なぜか、

・ドイツ語
・フランス語
・中国語
・スペイン語
・ロシア語
・韓国・朝鮮語
( 日本語)

この6(~7)ヶ国語ぐらいに限られています(以下、メジャー言語と表現)。東京大学の履修ランキングの記事があたので、そこから引用してみると(数字は履修パーセンテージ、全体が100)、

・スペイン語  1位 29%
・中国語    2位 22%
・フランス語  3位 21%
・ドイツ語   4位 17%(理系はドイツ語率が上がる)
*イタリア語  5位  5%
・ロシア語   6位  5%
・韓国・朝鮮語 7位  1%
( 日本語)

東京大学はイタリア語も学べるのですね。メジャー言語以外のイタリア語や他の言語(ポルトガル語も!)が学べるのは予想外でした。スペイン語が1位の理由は「話者が多い、発音が比較的簡単、(言語的には)英語とほぼ一緒、良い成績がとりやすい」などのようです(この分析はあとの考察で使っていきます)。。韓国・朝鮮語は最近採用する大学が多くなってきました。「距離的に一番”近い”外国で話される言語」「文化的等の交流の歴史もあり、また文法等も似ている、近年お互いの観光も盛ん」などの理由がベースにあるでしょう。「在日朝鮮・韓国人」のことも少し関係しているかもしれません(日本には在日朝鮮・韓国人コミュニティが各地にあり、そこに住む人の中には日本語をあまり話さない人もいます)。

日本の教育を司る文部科学省の考え方はどうかというと、こういう感じのようです。
まずは、”外国語や外国文学系の学科を除く学部で第二外国語が卒業要件として義務付けられた大学の割合は 52.4% であった”(日本独文学会,2015, p. 23)。ということで、当時の履修者数はこんな感じ。

順位 言語 履修人数 %
0   英語             9158028
 —————————————————
1   中国語             180842      36
2   ドイツ語            119401      24
3   フランス語           79047      16
4   韓国・朝鮮語          61256      12
5   スペイン語           38527       8
6   イタリア語            8789       2
7   ロシア語             7375       1
8   ポルトガル語           2247      0.4
9   マレー・インドネシア語      1328      0.3
10   アラビア語            1333      0.3

    データ 2012年 674大学対象 合格履修者数(日本独文学会,2015, p. 23)

また以下のような資料もあります。
[PDF] 英語以外の外国語の科目を開設している学校の状況について
(平成26(2014)年5月1日現在)
https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo3/058/siryo/__icsFiles/afieldfile/2016/05/25/1371098_1.pdf

この資料には高校での英語以外の外国語導入のランキングがあるので、参考までに載せておきます。
数字は履修者数と全体を100としたときのパーセンテートです。

順位      履修者数  %
1 中国語    19,106  40
2 韓国・朝鮮語 11,210  23
3 フランス語  9,214  19
4 ドイツ語   3,691   8
5 スペイン語  3,383   7
6 ロシア語    795   2
7 イタリア語   356  0.7
8 ポルトガル語  141  0.3

   データ 上記文科省のPDFから

気づかれましたか?大学・高校の履修者数で8位にポルトガル語がランクインしています。たぶん、なのですが、留学生や出稼ぎに来ている家族の子供の需要が多いのだと思います。この数字を見ると、ポルトガル語はメジャー言語の次ぐらいに位置していて、大学の第二外国語になるまで、あと少し、という気もしてきます。履修者数の伸び悩みは、そもそも開講している大学が少ないからで、講師を増やして、科目として登録し、ポルトガルやブラジルのイメージや文化をうまく使えば、この数字はロシア語等には近づきそうな気がします。

念のため、外国語大学の偏差値も見てみましょう。偏差値が高い=人気が高い、という解釈です。ここでは2019年の京都外国語大学・外国語学部のデータを使います。複数のサイトを参考にして、偏差値と、一般入試A日程の最低合格点を抜き出してランキングしてみます。

1位 50.0   230.2   中国語学科
2位 50.0   227.8   フランス語学科
3位 50.0   221.6   スペイン語学科
5位 50.0   220.6   英米語学科
5位 47.5   211.6   イタリア語学科
6位 47.5   210.7   日本語学科
7位 47.5   203.0   ドイツ語学科
8位 47.5   183.2   ブラジルポルトガル語学科

なんとなく、東京大学の履修状況とあまり変わらない、傾向が見えてきます、最近は中国語の需要が多いのでしょうか? 日本での知名度やイメージ(?)、社会人になってからの需要などが反映してそうです。

ちなみに、大学以外はどうかというと、大学入試センター試験で選べる外国語はもうちょっと少なくて、

・ドイツ語
・フランス語
・中国語
・韓国・朝鮮語

になっています。

さて、視点を変えて、世界中でどれくらいの人がこれら言語を使っているかを比べてみましょう。

・中国語     13億7,000万人    1位)
・スペイン語    4億2,000万人    3位)
・ポルトガル語   2億1,500万人    7位)
・ロシア語     1億8,000万人    8位)
( 日本語      1億2,700万人    9位))
・フランス語    1億2,300万人   10位)
・ドイツ語     1億1,000万人   11位)
・韓国・朝鮮語    7,500万人    14位)

(第一外国語になることが多い英語は 5億3,000万人 で、2位、ここで話題に敷いているポルトガル語は 2億1,500万人 で7位、メジャー言語の中では3位的な位置づけ(ロシア語やフランス語、ドイツ語などより全然多い)…なのですが、なぜかメジャー言語からは抜け落ちているのです・・(あとで歴史的な経緯などを検証する予定)。ちなみに、話者数で言えば、中国語、英語に続いて、4位 ヒンディー語† 4億2,000万人、5位 アラビア語 2億3,000万人、6位. ベンガル語† 2億2,000万人が続きます。).

†ヒンディー語、ベンガル語 については・・・

ヒンディー語はインドの憲法に定められた公用語。主にインドの北部・中部で使用されデーヴァナーガリー文字で表記。

ベンガル語はインド・ヨーロッパ語族インド語派の言語で、南アジアに存在する多くの言語と類縁関係にある。特にアッサム語とは非常に近い関係にあり、文字などに共通点がたくさん見受けられる。また、ヒンディー語やウルドゥー語とも共通点は多く、これら南アジアの3言語は、相互に学ぶことが容易。

・・・とのことなので、同語族、と解釈してよさそうです。合わせると話者数は6億4,000万人で、英語を抜いて世界2位になれる数。
数の視点で言ったら、ヒンディー語、ベンガル語、アラビア語も無視できない存在です。

ちなみに、パスタやピザ・ファッションなど文化もそれなりに入ってきていて、観光に行く人も多いイタリアで話される、イタリア語も一般の大学は履修できないですよね。東大は例外なような気がします。イタリア語はNHKの講座では人気と聞きますが・・ちなみに、NHKの語学講座はこんな感じで、ここにも主要10言語にポルトガル語は入っていません。ポルトガル語、ぜひNHKにもプッシュしていきたいところ・・

https://www2.nhk.or.jp/gogaku

・英語
・中国語
・ハングル
・イタリア語
・ドイツ語
・フランス語
・スペイン語
・ロシア語
・アラビア語
・その他
 |
  ーーポルトガル語

・・という感じで、「その他」、って・・・という感じですがないよりましです^^; テレビはないですが、ラジオであるそうです。。ラジオは今ではネット経由で気軽に聞けるのでそのほうが手軽かな・・テキストブックもあります。2013年頃からNHKでもポルトガル語も扱うようになったようです。2010年代のリオでのオリンピックやサッカー・ワールドカップが影響してそうです。

 後日追記・・NHK Worldの字幕にもポルトガル語ないんですよねー。スペイン語・フランス語はあるんですが・・ポルトガル語しゃべる日系人はブラジルに多いし、ポルトガル語もしませんかねぇ>>NHKさん( 中文(简体)、中文(繁體)、Français、Bahasa Indonesia、Español、ภาษาไทย [タイ語]、Tiếng Việt [ベトナム語] )

人気も独自に調べてみると、
(数字はランキングにもとづく推定ポイント)

・英語           562 ( 1位)
・ハングル(韓国・朝鮮語) 149 ( 2位)
・中国語           97 ( 3位)
・フランス語        84 ( 4位)
・スペイン語        77 ( 5位)
・ドイツ語         76 ( 6位)
・イタリア語        67 ( 7位)
・アラビア語        17 ( 8位)
・ロシア語         16 (圏外・・10位?)
・その他
 |
 |ーーポルトガル語 6 ( 圏外・・たぶんロシア語に続き、11位?)
  ーー手話        18 ( 9位)

     データ HOSE語学ランキング NHK語学テキストブック編

となっていたり、また、Amazon売れ筋ランキング「語学・教育雑誌」カテゴリでは、基礎英語3=59位、ロシア語=61位(他のランキングでは圏外なのに不思議)、アラビア語=166位、に続く(?)ブラジル・ポルトガル語=221位、とここでも苦戦をしています。あれれ・・イタリア語人気、と聞く割には、7位と低迷・・NHKの語学講座はビジネスマンも多いとききますから、文化や趣味よりは、「ビジネスでどうしても必要なんだよね」という人の数を反映しているのでしょうか?韓国・朝鮮語の多さはヨンさまに代表される、韓流ブームが影響しているようです。

次は日本との関わりや世界での役割を見てみましょう。世界標準語、という点では今は英語がゆるぎない地位を獲得しています。これは当分変わらないでしょう。中国語は漢字など歴史的に日本に影響を与え続けています。一方で漢字のおかげで、世界的には日本語と同様学びにくい言語、という評価も得ています。東アジア圏では韓国語が「脱・漢字化」に進み、おかげで(?)日本人にとって、韓国語は学びやすく(漢字の読みを気にしなくていい)、同時に、学びにくい(漢字のままにしてくれてたら、読めなくても、意味はわかった)、という「ねじれ」がある言語になりました。引き続き、距離が近いこともあって、話者数では14位だし話されている地域も少ないですが、日本にとっては重要な言語には違いない、という感じになるのでしょう。

世界に目をむけると、第二外国語は「多文化理解」ということで履修が推奨されている傾向もあるようです。オーストラリア(公用語は英語)には、英語ー日本語バイリンガルな初等教育もさかんと聞きます。

さて、ポルトガル語についてですが、次のような特徴があると思います。

・世界で 2億1,500万人 で話者数7位の言語。(ヒンディー語、ベンガル語、アラビア語を除けば、スペイン語に続き4位、西洋系では3位)
・ポルトガル語を話す日系人が多い。特にサンパウロでは生活の中に日本語が出てきます。逆に言うと、日本人にとってもブラジル・ポルトガル語は興味が持てる点がある、という特徴があります。
・歴史:公式の記録に残る、日本にはじめて来た西洋人はポルトガル人。種子島に漂着。鉄砲などを伝える。
・歴史:日本語になったポルトガル語
・ポルトガル語の特徴:ラテン系・ロマンス語系
・スペイン語はポルトガル語から派生
・英語とポルトガル語で語源が一緒、似ている、単語は7割を超えるという説も=英語を知っている人はポルトガル語は学びやすい。(発音はだいぶ違う)
・ラテン〜ロマンス語系言語、という意味では、フランス語、スペイン語があるわれだが、フランス語は発音が難しいし、スペイン語はポルトガル語から派生したので、ほぼポルトガル語・・ということは、ラテン〜ロマンス語系言語で、ポルトガル語が除かれる積極的理由はあまりない・・
ボサノバが日本のオシャレカフェで流れているところからして、若い特に女性はポルトガル語に自然に慣れ親しんでいるはず・・
・サンバなどブラジルの文化も日本では受け入れられている。=ポルトガル語も文化として入っている(サンバの歌詞はポルトガル語)。

東京大学で履修率が多かったスペイン語ですが、選んだ理由は「話者が多い、発音が比較的簡単、(言語的には)英語とほぼ一緒、良い成績がとりやすい」でした。これも使って考察してみましょう、

○話者が多い
○発音が比較的簡単
○(言語的には)英語とほぼ一緒

これれは、上に上げた特徴である程度答えが見えています。実は、ポルトガル語はスペイン語代替になる言語、と言っていいのです。ここで一つアイデアがあって、たぶん、ポルトガル語とスペイン語を一緒にしてしまって、どっちかで良い、とかいうガイドラインを作ったら、ポルトガル語を開講してくれる大学が増えそうです。(地元で、スペイン語話せる人はいないけど、ポルトガル語ならすぐ見つかる、的な、、地域もありそう。群馬県太田市や静岡県浜松市など)。

「良い成績がとりやすい」については、ここでは議論しないでおきます。ただ、これも少し「特徴」にヒントがあって、ポルトガル語は発音でも文法も結構単純で英語を学んだ人であればわかりやすい言語であることは確かなのです。

この文章書いてて思いましたけど、ブラジル・ポルトガル語って表現、長いですね。「ブラポル語」とかいう表現があるのでしょうか?調べてみます。

参考

【新入生必見】オススメはどれ?東大の第二外国語を徹底比較!
https://todaisenryaku.com/2nd-lang

by デーゲン, ラルフ
学生は必修科目としての第二外国語についてどのように考えているか
言語文化, 54: 33-56 2018-03-30 doi.org/10.15057/29073
http://hermes-ir.lib.hit-u.ac.jp/rs/bitstream/10086/29073/1/gengo0054000330.pdf

by iroots style
「大学で選択する第二外国語は何がおすすめ?徹底比較してみました。」
作成日2018年12月05日 (ライセンス不明・インターネット公開 *)
https://iroots.jp/style/86

by WIPジャパン株式会社
2019.Feb.11(ライセンス不明・インターネット公開 *)
世界の言語ランキングTOP31!アラビア語が驚異の成長率に
https://japan.wipgroup.com/media/language-population

by 東京外国語大学 ベンガル語専攻
http://www.tufs.ac.jp/common/fs/asw/ben/index/index.html

(ここでは議論してない言語に「Emoji」があります。個人的には「Emoji」が、音声コミュニケーションにも使われ始めたら、世界初めての「共通語」が生まれる気がしています!! 関連 Emolingo )

関連

大学時報:大学におけるこれからの第二外国語の意義と展開
https://daigakujihou.shidairen.or.jp/download/?issue=374&section=1

第二外国語の選び方~各言語の情報と失敗しない選択方法を伝授する【大学新入生向け】 https://ramenhuhu.com/nigai
第二外国語はスペイン語かポルトガル語か | 辰巳隆昭オフィシャルサイト http://waratteco.com/tt/t2design649
日本人がポルトガル語を学習するメリット!おすすめする理由8つ | のりじノート https://norijino.com/japanese-portuguese-learn/
第二外国語におすすめ!大学生が英語の次に語学習得すべき言語は? | ゼロワンインターンマガジン https://01intern.com/magazine/archives/9805
第二外国語を何にしようか悩んでいます。スペイン語やポルトガル語、中国語… – Yahoo!知恵袋 https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1267687087
ポルトガル語が英語よりも習得しやすい理由 – ブラジル余話 https://tabatashingo.com/top/ambiente-estudar-portugues/
本当にその言語でいいですか?気になる第二外国語のウワサ(学業)|t-news https://www.tnews.jp/entries/126
ポルトガル語とドイツ語でおぼえやすいのはどちら -今外国語を勉強しよ- ドイツ語 | 教えて!goo https://oshiete.goo.ne.jp/qa/8562423.html
第二外国語 – キャリア国際機関 https://careerkokusai.com/2017/12/12/%e7%ac%ac%e4%ba%8c%e5%a4%96%e5%9b%bd%e8%aa%9e/

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